亡くなった時に効力が生じる贈与契約とは?
いま贈与契約を結んでおいて、贈与者が亡くなった時に、効力を生じさせる事はできますか?
できます。このような贈与契約を死因贈与(民法第554条)といいます。
死因贈与と遺贈(民法第964条)の違い
「死因贈与」は、遺言による財産処分である「遺贈」と、死亡時に効力が生ずる点で、似ていますが、下記のような違いがあります。
①性質
死因贈与は、契約である。両当事者の意思の合致が必要。
遺贈は、単独行為である。
②方式
死因贈与は、遺言の方式によらない。書面で行うことも要求されない。諾成契約である。
遺贈は、遺言の方式による必要がある。民法に定めた方式を守らないと、無効になる
③その他
死因贈与については、贈与者の生存中に、所有権移転仮登記をすることができる。
遺贈は、遺贈者の生存中に、所有権移転仮登記をすることはできない。
民法第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。
民法第964条
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。
民法第985条
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。